MENU

ICT支援員に未経験からなれる?現役ICT支援員が具体的な流れを徹底解説

現在宮崎県で22校の小中学校を担当しているICT支援員です。メインの仕事はデザイナーの仕事をフリーランスで行なっていますが、制作などは時間の組み立てが自由な為、平日の昼間に副業としてICT支援の仕事を2023年から始めています。未経験からICT支援員になりたい人や、30代・40代・50代から始めたい人にも参考になるような記事になっています。

この記事の要点
  • ICT支援員の役割と必要なスキル
  • 未経験からのステップ
  • 現場での課題とその克服方法
  • キャリアの広がりと将来性

ICT支援員とは?未経験者でも理解できる基礎知識

ICT支援員は、学校や教育現場で先生や生徒をサポートする仕事です。主に、ICT機器(タブレットやPCなど)の操作やトラブル対応、授業での技術支援を行います。未経験でも、ICT機器の基本操作を理解し、問題解決能力とコミュニケーションスキルがあればスタート可能です。また、GIGAスクール構想によりICTの活用が進む中、需要が高まっています。「エンジニアのような高度な知識は不要」という点も、未経験者が挑戦しやすい理由のひとつです。

未経験者が知るべき!ICT支援員の仕事内容と役割

ICT支援員の仕事内容は、学校や教育現場での幅広いサポートが中心です。具体的には、タブレットやPCなどのICT機器の操作支援、トラブルシューティング、授業のサポート、そして教師や生徒への技術的なアドバイスを行います。また、GIGAスクール構想の導入に伴い、ICT機器の使用が急増したため、支援員はその活用を促進する役割も担っています。未経験者でも基礎的なITスキルがあれば取り組みやすい仕事ですが、同時に柔軟な対応力とコミュニケーション能力が求められます。次のリストで具体的な役割を確認してみましょう。

ICT支援員の主な役割

  • ICT機器(タブレットやPC)の操作や設定のサポート
  • 授業で使用するアプリやソフトの導入と説明
  • トラブル発生時の対応と問題解決
  • 先生や生徒へのICT活用のアドバイス
  • ICT機器のメンテナンスや管理
としあきさん。

実際に学校を訪問すると、PCやタブレット操作が苦手な先生の操作サポートが多いです。Microsoft officeやGoogleアプリに関する操作支援やロイロノートやQubenaの使い方やアカウント設定について聞かれることもあります。4月5月はアカウント設定に関する作業対応が多いですね。

未経験からICT支援員になるための5つのステップ

未経験からICT支援員を目指すのは難しいと感じるかもしれませんが、具体的なステップを踏むことで着実に進むことができます。ICT支援員に必要な専門知識やスキルは、独学や研修を通じて習得可能です。また、求人情報を探す際には「未経験者歓迎」の条件を確認することも重要です。以下に、未経験者がICT支援員になるための5つの具体的なステップを紹介します。

ここでは未経験で仕事する際に、不安が大きく、事前に少しでも準備しておきたい人向けのステップを考えました。ICT支援関連の資格を検討する部分では、国家資格で簡単に取得できるITパスポートを持っていれば問題ないでしょう。未経験から始める際に一番大切なことは「コミュニケーション能力」になります。

STEP
ICT基礎スキルを習得する

Word、Excel、PowerPoint、Googleアプリなど基本的な操作を学ぶ。

STEP
ICT支援員関連の資格を検討する

「ICT支援員認定試験」などを受け、スキルを証明。スキルは資格で証明できますが、特に採用時に重要視されません。大切なのは、未経験から現場に配属された後の学ぶ姿勢や、先生や生徒のPCやタブレットの使い方や悩み事を解決できる動きが重要です。知識よりもコミュニケーションが大切だといえます。

STEP
未経験者向けの求人を探す

求人サイトや自治体の募集ページを確認。経験者を採用するよりも未経験の人が採用されることも珍しくありません。というのも実際にICT支援員を採用する企業側に話を聞くと、経験している人がまたICT支援員になりたいというケースでは、以前ICT支援員としてどんな状況で働いていたのか?何か原因があって辞めたのではないか?とマイナスな考えをもってしまうということで全く、経験者が有利だということもなくむしろ未経験者の仕事に対する熱意を尊重するような意見も耳にしたことがあるので、未経験だから不利ということは全くないです。

STEP
現場で必要な知識を学ぶ

GIGAスクール端末や教育アプリの知識を深めると良い。私も実際に働きだしてロイロノートやGoogleスライド、ExcelやWord、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートに関してスキルが身につきました。先生たちは当たり前のようにQubenaのことやロイロノートの機能について相談してくることが多いです。現場で必要な知識を学ぶ上で重要なのは、Googleでの検索力です。わからないときに検索して解決へ結びつけるような検索力を高めておくと良いでしょう。

STEP
研修やOJTで経験を積む

未経験者向けの研修に参加し、実践的なスキルを身に付ける。実際にICT支援員として働きだした際に研修は無かったです。私の場合は、ぶっつけ本番で、一日だけ社長が同行してくれて次の日からは一人で学校へ訪問していくようなスタイルでした。研修はほぼないと思っておいた方が良いでしょう。もしくは先輩社員が担当していた学校を引き継ぐ形で対応するなら、OJT感覚で学ぶこともできると思います。

としあきさん。

未経験からいきなりICT支援の仕事をしてみましたが、特に上記に記載しているステップから始めなくても大丈夫でした。時間があり学んでから行動したい人向けに考えたステップになるので、未経験でとりあえずICT支援の仕事に携わりたい人はステップ4の「現場で必要な知識を学ぶ」がとても重要になります。

これらのステップを順番に実行することで、未経験でもICT支援員になる道が開けます。

ICT支援員に必要なスキルと資格の一覧

ICT支援員になるために、必須の資格はありませんが、仕事をスムーズに進めるために役立つスキルや取得を目指すと良い資格があります。未経験者の場合、特に基礎的なICTスキルや問題解決能力、そして教育現場でのコミュニケーションスキルが重視されます。また、「ICT支援員認定試験」のような資格を持っていると、就職活動で有利になることもあります。以下に、必要なスキルと資格を一覧でまとめました。

ICT支援員に必要なスキルと資格

必要なスキル説明
基本的なICTスキルWord、Excel、PowerPoint、Googleツールの操作
問題解決能力トラブル発生時に迅速に対応できる力
コミュニケーション能力教師や生徒との円滑なコミュニケーション
教育アプリやシステムの知識GIGAスクール端末や教育用ソフトの理解
推奨される資格内容
ICT支援員認定試験ICT支援員としての知識を証明する資格
ITパスポートICT分野全般の基礎知識をカバー
MOS(Microsoft Office Specialist)Officeツールの操作スキルを証明

これらのスキルと資格を押さえることで、未経験でもICT支援員としてスタートしやすくなります。

地域によってメインで使っているツールが違います。わかりやすく言うと、Googleをメインで使っている自治体ならGoogle For Educationを使うと思うので、GoogleClassRoomやGoogleスライド、スプレッドシート、ドキュメントを使えるようになると良いと思います。Google For EducationはICT支援員は導入できないケースが多いです。そのため、無料で使えるGoogleWorkSpaceにあるGoogleスライド、スプレッドシート、ドキュメントを使ってみて練習すると良いでしょう。

校務で先生たちは特にExcelを使います。WordやPowerPointも使うので、基本的にoffice製品には触れておき、簡単な関数VLOOKUP関数やCOUNT関数は使えるようになっていた方が良いでしょう。

GoogleではGoogleフォームでのアンケート作成が作れるようになることは必須といえます。特にセクションの理解を深めることが大切です。

ICT支援員として働くためのおすすめ勉強方法

未経験からICT支援員を目指すなら、まず効率的な勉強方法を押さえることが大切です。特にICT支援員の仕事に必要なスキルは、独学でも身に付けられるものが多く、手軽に始められるのが特徴です。また、無料で学べるオンラインリソースや、実際の業務に近い環境で学ぶ研修を活用することも効果的です。以下に、ICT支援員におすすめの勉強方法をリストアップしました。

ICT支援員におすすめの勉強方法

  1. オンライン教材や動画を活用する
    • YouTubeやUdemyでICT機器の操作やトラブル解決方法を学ぶ。
  2. 資格対策のテキストを読む
    • 「ICT支援員認定試験」やITパスポート向けの書籍を利用する。
  3. 教育アプリやツールを実際に使ってみる
    • Google ClassroomやZoomなどを操作しながら学ぶ。
  4. 無料セミナーやワークショップに参加する
    • GIGAスクール関連のイベントで最新情報を入手する。
  5. 職業訓練校や地域の講座を受講する
    • 実践的なスキルを学べるコースを探してみる。

これらの勉強方法を取り入れることで、未経験からでも自信を持ってICT支援員の仕事に取り組むことができます。

私の勉強法は、YouTubeやTikTokで短時間で学ぶことが多いです。先生たちは勉強が好きなので本を買って読んでいる先生もいますが、IT系の技術は変化が激しいので、こまめにYouTubeやTiKTokをチェックして最新の情報を取り込みましょう。

未経験でも応募できるICT支援員の求人の探し方

未経験からICT支援員の求人を見つけるには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。特に「未経験歓迎」の条件や研修制度が充実している企業を探すことが成功のカギです。また、教育現場に特化した派遣会社や地域の教育委員会の採用情報も確認してみましょう。以下は、具体的な求人の探し方をまとめたリストです。

ICT支援員の求人を探す方法

  1. 求人サイトを活用する
    • リクナビNEXTやIndeedで「ICT支援員 未経験」と検索。
  2. 派遣会社の教育専門求人を確認する
    • 教育関連の派遣会社(例:パソナ、ウチダ人材開発センタ)に登録する。
  3. 自治体や教育委員会の採用情報をチェックする
    • 地域の教育委員会で「ICT支援員募集」を検索。
  4. SNSやネットワークを活用する
    • LinkedInやTwitterでICT支援員の情報を探す。
  5. 未経験者向けのインターンや見習いポジションを探す
    • OJT制度がある企業を優先して応募。

これらの方法を駆使すれば、未経験でもICT支援員として働けるチャンスを見つけることができます。求人情報を探す際は、勤務条件や研修制度も必ず確認しましょう。

としあきさん。

求人によって給与は様々です。安いから業務が簡単ということも無く、高いから良いということでも無いですが、私が選んだポイントは、自分の頑張りを給与に評価してくれる会社かどうかを重要視しました。学校とのやり取りの中で印象が良いとそのまま給与に反映する環境が良いと思い、企業選びはICTの知識を深めるよりも重要視していました。

ICT支援員としてのキャリアパスと将来性

ICT支援員として働くことで、幅広いキャリアパスが開けます。特にGIGAスクール構想の拡大により、ICTの重要性が教育現場で増しており、支援員の需要は今後も続くと予想されています。未経験からスタートして、実務経験を積むことで、より専門的なポジションや教育関連の他職種に進むことも可能です。また、ICT支援員としての経験を活かして、ITサポートやシステム管理、教育テクノロジー分野でのキャリアを築くことも選択肢の一つです。

将来性のある分野として、以下のような可能性が挙げられます。

  • 教育テクノロジー分野へのステップアップ
    学校内のシステム構築や教育アプリの開発支援などに携われる可能性があります。
  • IT業界でのキャリアチェンジ
    ITパスポートなどの資格を取得し、ITサポートやエンジニア職に進む道も。
  • 教育関連の専門職への転向
    ICT支援員としての経験を活かし、教材開発や教師サポート専門職に進むことが可能です。

このように、ICT支援員の仕事を通じて、将来的に多彩なキャリアパスを選べる環境が整っています。

現役ICT支援員の1日のスケジュールと仕事のやりがい

ICT支援員として働く現場では、1日のスケジュールが比較的多岐にわたります。教育現場のニーズに応じて、授業のサポートやトラブル対応、機器のメンテナンスなどが主な業務です。また、先生や生徒からの技術的な質問にも対応するため、コミュニケーション能力が欠かせません。一方で、現場の課題を解決することで感謝される機会も多く、やりがいを感じやすい職種と言えます。以下に、ICT支援員の1日のスケジュール例を示します。

ICT支援員の1日のスケジュール例

8:00〜9:00:朝の準備・機器の動作確認

タブレットやPCの動作確認、ネットワークのチェックを行う。

9:00〜12:00:授業サポート

教室でのICT機器利用をサポートし、トラブルがあれば対応。

12:00〜13:00:昼休み

機器のメンテナンスや次の授業の準備を進めることも。

13:00〜15:00:教職員との打ち合わせ

教師とのICT活用計画や新しいツールの導入について話し合う。

15:00〜17:00:トラブル対応・資料作成

機器の修理や不具合対応、報告書やマニュアルの作成を実施。

仕事のやりがい
ICT支援員の魅力は、教育現場での直接的な貢献を実感できる点です。例えば、授業がスムーズに進むよう支援することで、教師や生徒から感謝される場面が多くあります。また、技術力の向上と同時に教育分野への理解が深まるため、成長を実感できることもやりがいの一つです。

としあきさん。

地域での違いは、午前・午後で違う学校に訪問するパターンもあります。私の担当している自治体では、午前と午後で違う学校に訪問してICT支援を行なうことになっています。業務としては上記に記載していることと変わりはないです。教職員との打ち合わせはあまりないですが、ICT担当の先生にほかの学校でのICT促進の現状を共有したり、毎回訪問時におすすめな使い方などをご紹介することで、学校側とコミュニケーションを図っています。

ICT支援員として働く上での課題とその克服方法

ICT支援員として働く中で直面する課題は、技術的な問題だけでなく、教育現場特有の人間関係や多様なニーズへの対応も含まれます。特に、未経験者にとっては「専門知識が不足しているのではないか」と不安に感じることが多いかもしれません。また、現場で発生するトラブルに迅速に対応するプレッシャーもあります。これらの課題を乗り越えるためには、計画的なスキルアップと円滑なコミュニケーションが重要です。以下に、具体的な課題とその克服方法をまとめました。

ICT支援員の課題と克服方法

  1. 技術的な知識不足
    • 克服方法: 定期的にICT関連の研修や講座を受講し、最新技術を学ぶ。資格取得を目指して体系的に知識を習得する。
  2. 多様なニーズへの対応
    • 克服方法: 教師や生徒の声を積極的に聞き、ニーズを把握する。柔軟な姿勢でサポート方法を工夫する。
  3. トラブル対応のプレッシャー
    • 克服方法: トラブルシューティングの知識を事前に学び、想定される問題に備える。上司や同僚に相談する環境を整える。
  4. 教育現場でのコミュニケーション
    • 克服方法: 学校のルールや文化を尊重しながら、相手の立場に立った話し方を心がける。

課題を一つひとつクリアすることで、自信を持ってICT支援員として成長することができます。スキルと現場対応力の両方を高めることで、よりやりがいのある仕事を楽しむことができるでしょう。

未経験からICT支援員を目指す方へのアドバイス

未経験からICT支援員を目指す際には、不安や迷いを感じることもあるかもしれません。しかし、ICT支援員の仕事は高度なエンジニアスキルを必要とするわけではなく、基礎的なICT知識や柔軟な対応力があれば十分に挑戦可能な職種です。まずは、自分にできる範囲でICTスキルを身に付けることから始めましょう。例えば、Googleアプリの操作や基本的なトラブルシューティングの方法を独学で学ぶだけでも、現場で役立つスキルとなります。

また、求人を探す際は「未経験歓迎」や「研修あり」の条件を確認することをお勧めします。そして、働きながら経験を積むことで、自信とスキルが自然に身に付いていきます。最後に、何より大切なのは「現場で役立ちたい」という気持ちです。この気持ちがあれば、どんな壁も乗り越えられるはずです。

この記事を書いた人

フリーランスデザイナー(4年目)平日昼間はICT支援員として活動(22校を担当)土日祝日は企業と業務委託のお仕事(6年目)。子供は0歳で妻は公務員。デザインのことや学校や仕事で使えるICTの知識など発信。フリーランスと公務員の生活の違いなども発信していきます。